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「ヒルクライマー」

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わが自転車師匠こと高千穂遙さんの初の自転車小説「ヒルクライマー」が出版されました。

 
ヒルクライマーヒルクライマー
高千穂 遙

ツール・ド・フランス―君が教えてくれた夏 ランス・アームストロング ツール・ド・フランス永遠(とこしえ)のヒーロー ロード・トゥ・ルーベ [DVD] サクリファイス 1 (ヤングチャンピオンコミックス) 自転車をめぐる誘惑

by G-Tools
↑表紙イラストは、同じく自転車好きの寺田克也


ひとことでいうならば、すごく「地に足の着いた」自転車小説だと思います。

今までいろいろな自転車小説を読んできましたが、それらの主人公たちは、いわば「物語の中の世界」の住人たちでした。たとえば、プロの自転車選手であったり、命を狙われながら自転車に乗ったり、ものすごく恵まれた環境でレースをしてみたり......。私のような読者は、それをどこか遠くの世界のものとして読んできたのです。

でも、「ヒルクライマー」の登場人物たちは、すごく身近に感じられます。それは、私が著者と知り合いだからというわけではなく、読んでいただければわかると思うのですが、「こういう人、いるよね~」という人たちが物語の中で息づいているからです。

おまけに、小説の舞台もおなじみの場所ばかり。主人公たちが集う自転車店は高幡不動にあり、初めて走る道は多摩サイです。練習コースは、風張峠や奥多摩湖、ヤビツ峠といった、自転車乗りにはおなじみの場所ばかり。実際にその場所を何度も登った著者が書いているのですから、描写もものすごく自然です。

ストーリーも、特別ドラマチックではありません。超人的な才能を誇るキャラがいきなりツールに出たりもしなければ、ありえないようなスーパーな自転車で記録を打ち立てることも、怪しい陰謀に巻き込まれることもありません。

フツーの人間が自転車に出会い、多くの人々との出会いを経てヒルクライムに取り付かれていく様子が描かれていくのですから、その先に待っている結末も実に現実的なもの。でもだからこそ、そこにはリアリティがあり、共感を呼び、感動を生むのです。

自転車ブームといわれ、健康管理やメタボ解消のために乗り始めるような人が多い時代だからこそ、こうした「普通の人たちが登場する自転車小説」が登場したのかもしれません。たぶん、これを読んで「次の週末は小説に出てくるこの峠に行ってみよう」と思っちゃう人も少なくないのでは?

そうそう、自転車小説としてはもちろんなのですが、実はこれ、「初心者のための自転車教室」本として読むこともできます。主人公の松尾礼二は、夭逝した友人のロードバイクを譲り受け、初めて自転車の世界に触れるのですが、その過程で「自転車乗りとしての基本」を先輩たちから叩き込まれるのです。

それは、時にはマナーであったり、技術であったり、知恵であったりもしますが、これらは私たち自身が自転車に乗りながら時間をかけて学んできたこと。この小説を読むことで、一気にそれらを学べちゃうのは何だかズルいなぁ......なんて思ってしまったりもしたのでした。

本はとてもおもしろかったのですが、少なくとも私は「坂バカ」ではなく、山を登りたがる人の気持ちは......わかるような気はするけど、自分で登りたいとは思わないなあ(笑)。年に1回くらいならほどほどの峠に行ってみてもいいかな?とは思いますけど。

ちなみに、雑誌「BICYCLE CLUB」の8月号には、著者が実際に小説のコースを走るという特集記事が掲載されています。小説に登場するコースの位置関係もよりよくわかりますので、あわせて読んでみるとおもしろいのではないでしょうか。


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コメント(8)

 『ヒルクライマー』もうゲットしましたか。ぼくはまだゲットできません。(;_;)
 予約したのがアマゾンではなく、セブンアンドワイで予約したからですが。
 おぢさんの著作なら面白さは折り紙つきですね、はやくゲットしたいです。
 『ヒルクライマー』の刊行もおめでたいのですが、来月刊行予定の『夏への扉』新訳版の詳細がわかりました。翻訳者は小尾芙佐さんで、文庫ではなく単行本で刊行されます。
 今月と来月にかけて楽しみにしていた作品が続けて刊行されるのでうれしいのですが、ここのところ色々とトラブルがあって、うつの状態がひどくなってしまい、気分がどうも盛り上がりません。一昨日は誕生日でしたが、バースデイ・ブルーになってしまいました。

坂が嫌いな(?)みいこさんが薦めるなんて,相当すごい作品のようですね。

そういえば私は高校時代に高校図書館に文庫版「夏・風・ライダー」や「運び屋サム」シリーズを入れてもらって普及活動をしていました。
しかし,今思うと高校にサムはまずかったかもしれないです。

英語の勉強は文庫の英語版ダーティペアで挫折しましたが・・・。

H-Wac(わっく)さん、お誕生日おめでとうございます&コメントもありがとう。

「夏への扉」新訳はうれしいですね。たぶん、買ってしまうでしょう。つい最近、福島さん訳版も読み直したので、早いところレビューを書かなくては……。

この鬱陶しい天気では心も晴れないですね。明けない梅雨はありませんから、もう少しの辛抱ですね。

nekki5149さん、コメントありがとうございます。

あー、「夏・風・ライダー」にちょっと近いようなテイストかもしれません。自転車に乗っている人なら、すんなりと共感できる作品なのではないかと思います。ソフトカバー本なので、移動中にも読みやすいと思いますよ。

英語版ダーティペアもあったのですね。アメコミ版は見たことがあるような気がしますが……。

 『ヒルクライマー』の話なのに、話題がずれてしまいました。あれからメールで来週届くとの連絡がありました。
 現在主に購入しているネット書店は、セブンアンドワイというネット書店です。名前でわかるかと思いますが、セブンイレブンが運営しているネット書店です。
 宅配もしていますが、指定したセブンイレブンの店舗で受け取り可能です。その場合だと、注文したのが文庫本1冊でも配送料が無料になります。店舗に届いてから10日は留め置きしてくれるので、都合のいい日時で受け取ることができます。
 ぼくの場合、近所にセブンイレブンの店舗があるので受け取り指定して、仕事の行き帰りに受け取っています。携帯電話でも注文可能です。
 『夏への扉』新訳版も予約受付が始まっていたので、さっそく予約しました。
 『夏への扉』もそうですが、ここのところ十代の頃に読んだ、『クラッシャージョウ』や『銀河乞食軍団』といった作品が復刊されたりしているので、楽しみです。(『キャプテン・フューチャー・シリーズ』や銀英伝が創元推理文庫から復刊されるとは予想だにしませんでした)

H-Wac(わっく)さん、コメントありがとうございます。

セブンアンドワイは、書籍以外で利用したことがあります。セブンイレブンの店舗で受け取れるのはいいですよね。ちゃんと梱包してあって、店側には何を買ったかわからないようになっていますし(……って、あやしいものを買ったわけではありませんが(笑))。

はじめまして。いつも楽しくブログ拝見しております。
ヒルクライマー、昨日本屋に行ったら棚に並んでいましたので、さっそく買ってきました。夜、時間を忘れて一気に読みました。面白かった!私はランニングにはまっている口ですが、実は自転車にも興味津々、後押しされそうで恐いです。多摩サイでランニングしていても、自転車の方は気持ち良さそうに走って行きますからね。本格的なヒルクライムでなくても、この本に出てくるところに行くだけで楽しそうです。(ん?それはヒルクライムか)

みんむしさん、はじめまして&初コメントとてもうれしいです。ありがとうございます!

サイトを拝見しましたが、私がふだん自転車で走るような距離をランニングで走っていらっしゃってスゴいですね! 自転車では見逃してしまうような風景もランニングなら見つけられるのではないでしょうか。中学生のころ、5キロ走って失神した私には、ランニングはちょっとムリかもしれませんけど……。

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このブログ記事について

このページは、みいこが2009年7月23日 16:43に書いたブログ記事です。

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